タグラインとは?事例や作る際のポイントもあわせて解説
目次
タグラインとは
タグラインとは、企業や商品、サービスの独自価値を社内外へ端的に伝えるためのフレーズです。
企業が持つブランドの価値は、商品・サービスのパッケージや企業のWebサイト、周辺サービス、広告・広報などのコンタクトポイントを通して伝えられます。
そんなタグラインの特徴は、下記の3つです。
- 企業もしくはブランドの価値を明確にする
- 企業の理念やコンセプトを端的に表現できる
- 競合他社との違いを明確にして、市場でのポジションを確立できる
企業は顧客を日々獲得するために、自社独自のブランドメッセージを発信しています。
そのメッセージを広告・広報を介して伝える際に、必要となるフレーズがタグラインです。
ちなみにタグラインは、テレビや雑誌、新聞、ラジオなどで幅広いチャネルで活用されています。
タグラインの意味
タグラインには、「企業が顧客へ伝える簡潔なメッセージ」といった意味があります。
英語表記では、物事を識別・認識するレッテルや値札を表す「tag(タグ)」と、一節や一筆を意味する「line(ライン)」で構成されています。
つまり直訳すると、「企業ブランドを識別・認識するための一節や一筆」です。
Webサイトの場合、企業ロゴの目に留まるところへ記載されるケースが多く、誰が見てもわかりやすい言葉かつ15文字前後が理想的とされています。
タグラインとキャッチコピーの違い
タグラインとキャッチコピーの違いは、下記の通りです。
それぞれの特徴 | |
タグライン | 企業の価値や商品・サービスといったブランドイメージを打ち出す |
キャッチコピー | 時代背景や流行に合わせて、消費者の心に残るフレーズを、その都度訴求する |
つまりキャッチコピーは、商品・サービスや時代のトレンド、企業戦略に合わせて頻繁に変更されます。
ターゲットを細かく設定して、複数の種類に分ける場合もあるので覚えておきましょう。
またタグラインは伝わりやすさや分かりやすさを重視する一方で、キャッチコピーは関心を引きやすく、トレンドが意識された言葉が使用されるケースが多いです。
タグラインとスローガンの違い
タグラインとは異なり、スローガンは企業の目的や標語、座右の銘を意味します。
マーケティング領域では、ブランドスローガンとコーポレートスローガンの意味で使用されており、それぞれの意味は下記の通りです。
意味 | |
ブランドスローガン | ・ブランドの世界観と一言で表現した言葉 ・事業に取り組み姿勢とチャレンジ精神を伝えられる |
コーポレートスローガン | ・キャッチコピーよりも使用される期間が長い言葉 ・企業の存在意義や目指す姿を端的に表現して、社内外コミュニケーションの核となる言葉 |
つまりタグラインは顧客に向けたメッセージであるのに対して、スローガンは社内に向けて作られている点が異なります。
そのためスローガンは、企業の定義や価値、志す方向が示された言葉といえるでしょう。
タグラインの効果
タグラインは端的な言葉で表現するため、ユーザーの印象に残りやすい効果があります。
ユーザーの印象に残ることで得られる効果は、下記の3つです。
- 自社への興味・関心をもってもらいやすい
- 商品・サービスの購入につながりやすい
- 端的に説明されるため、企業価値が把握されやすい
タグラインは宣伝文句ではなく、企業と商品・サービスの価値を思い出させる効果もあります。
そのため、ブランドのアイデンティティや市場のポジションを確立しやすくなるでしょう。
またタグラインを活用することで、ブランディングの明確化と競合他社との差別化にもなります。
こちらのブランディングの意味とは?メリットや手順・ポイントをまとめた記事では、マーケティング施策として重要とされる「ブランディング」について解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
タグラインの事例
ここまで、タグラインの概要や効果をお伝えしました。
続いて、タグラインの事例を5つ紹介します。
- しあわせは、すぐ届く
- 「自然を、おいしく、楽しく。」
- あったらいいなをカタチにする
- お口の恋人
- すべてはお客さまの「うまい!」のために。
ひとつずつ紹介していきます。
しあわせは、すぐ届く
「しあわせは、すぐ届く」とは、株式会社出前館が掲げているタグラインです。
タグラインの誕生には、下記の背景があります。
- 日本人には味覚以外に視覚や触覚、嗅覚で「美味しさ」を感じる細やかな心がある
- つまり、配達員の身だしなみや言葉遣い、届くまでの時間や料理の温かさには、豊かな時間を生み、人をつなぐ力がある
- そこで「料理」ではなく、「しあわせ」が届く=「しあわせは、すぐ届く」が誕生した
また企業名である「出前館」とタグラインの「しあわせは、すぐ届く」から、地域密着型の宅配サービスであると連想できます。
「自然を、おいしく、楽しく。」
「自然を、おいしく、楽しく。」とは、カゴメ株式会社が掲げているタグラインです。
タグラインに込められている思いとして、下記の3つがあります。
タグライン | 企業理念 |
自然を | 自然の恵みがもつ抗酸化力や免疫力を活用して、食と健康を深く追求すること。 |
おいしく | 自然に反する添加物や技術にたよらず、体にやさしいおいしさを実現すること。 |
楽しく | 地球環境と体内環境に十分配慮して、食の楽しさの新しい需要を創造すること。 |
言葉のリズム感から、ブランドをイメージさせる言葉といえるでしょう。
また企業理念として「感謝・自然・開かれた企業」を掲げており、時代の変化に合わせて継承される経営のこころが伺えます。
あったらいいなをカタチにする
「あったらいいなをカタチにする」とは、愛媛小林製薬株式会社が掲げているタグラインです。
タグラインに込めた思いとして、下記が提唱されています。
私たちは、日々変化し進化するお客様のニーズを解決するだけでは満足しません。
お客様も気づいていない必要なものを発見し、「こんなものがあったらいいな」をカタチにして、一刻も早く送り届けます。
お客様の立場で開発した製品やサービスが、社会の信頼、お客様の期待を裏切ることのない品質を私たちは追求します。
暮らしの中の発見から生まれた喜びが、いつしか世界にも広がることを夢見て。
私たちは、お客様と深く関わり合い、今までになかった満足を提供することによって社会に貢献する開発中心型企業です。
つまりユーザーのニーズを満たすだけではなく、希望をカタチとするユーザー目線のメッセージといえるでしょう。
お口の恋人
出典:株式会社ロッテ 企業理念
「お口の恋人」とは、株式会社ロッテが掲げているタグラインです。タグラインの由来は、下記の通りです。
ロッテの社名は、ドイツの文豪ゲーテが著した名作「若きウェルテルの悩み」の中に登場するヒロイン「シャルロッテ」に由来します。
「お口の恋人」というメッセージには、「永遠の恋人」として知られる彼女のように、世界中の人々から愛される会社でありたいという願いが込められています。
つまり企業名である「ロッテ」は、タグラインと掛け合わさっている言葉といえるでしょう。
すべてはお客さまの「うまい!」のために。
出典:2013年 アサヒビール事業方針
「すべてはお客さまの「うまい!」のために。」とは、アサヒビール株式会社が掲げていたタグラインです。
2013年に企業の原点である「お客さまにうまいと言ってもらえる商品を提供する」として、活動キーワードに選ばれました。
タグラインからはビールの爽快感だけでなく、ブランドへの信頼感も感じられます。
タグラインを作る際のポイント
ここまで、タグラインの事例をお伝えしました。
続いて、タグラインを作る際のポイントを6つ解説します。
- ターゲットを明確にする
- 伝えるポイントを明確にする
- 言葉のリズムを意識する
- 心理学のテクニックを応用する
- ベネフィットを伝える
- 覚えやすい言葉を選ぶ
ひとつずつ解説していきます。
ターゲットを明確にする
タグラインを作る際のポイントは、ターゲットを明確にしましょう。
ターゲットを絞る際のポイントは、下記の通りです。
- 年齢や居住地域、性別などを詳細に決めておく
- 商品・サービスの購入につながりそうな人をターゲットにする
タグラインをターゲットに届けるには、属性を詳細に絞った方が心に残りやすいため、具体的に決めましょう。
また企業の目標が「ターゲットの購買」の場合は、自社の商品・サービスに興味や関心を持ってくれそうなユーザーをターゲットにする必要があります。
伝えるポイントを明確にする
タグラインを作るにあたって、伝えるポイントは明確にしましょう。伝えるべきポイントの例は、下記の2つです。
- 商品・サービスの強み
- 他社と異なる自社のアピールポイント
伝えるポイントを明確にすることで、顧客に刺さりやすいタグラインを作成できます。
仮にフレーズや言葉が思い浮かばない場合は、自社の理念や訴求内容、強みを書き出してみましょう。
言葉のリズムを意識する
タグラインを作成する際は、言葉のリズムを意識する必要があります。
リズム感のよい言葉を意識する理由は、記憶に残りやすい傾向があるためです。例えば「、(読点)」を活用して、文節を区切る方法もあります。
日本人は古くから、俳句や短歌といったリズムのある言葉に触れてきた背景があるため、特性に合ったリズムや言葉を取り入れてみましょう。
心理学のテクニックを応用する
タグリズムの作成には、心理学テクニックの応用も有効です。
代表的な例として、スノップ効果やバンドワゴン効果、アンカリング効果があります。
それぞれの特徴は、下記の通りです。
心理テクニック | 特徴 |
スノップ効果 | ・損失や失敗を避けたい人間心理を活用して、焦る気持ちを引き起こさせる心理効果 ・代表例は「完売間近」や「期間限定」 |
バンドワゴン効果 | ・大勢の人が支持しているものに対して、自分も欲しいと思う心理効果 ・代表例は「人気商品」や「顧客満足度No.1」 |
アンカリング効果 | ・最初に与えられた特徴や数値といった情報が、記憶に残りやすい心理効果 ・代表例は、「通常価格より60%OFF」や「15分遅刻すると伝えておいて、10分で到着する」 |
ただし心理テクニックは使い方を間違えると、信用を失う恐れがあるので、利用する際は注意しましょう。
ベネフィットを伝える
タグリズムの作成では、商品・サービスを利用することで得られるお得感や満足度を伝えましょう。
「どういった効果が得られるか」を正確に伝えられると、ユーザーの興味・関心を引けるはずです。
覚えやすい言葉を選ぶ
タグリズムでは、覚えやすい言葉を選びましょう。
商品・サービスを詳細に知ってもらうために情報量が多くなってしまうと、下記のデメリットがあります。
- ユーザーの記憶に残りづらい
- なにを伝えたいのか理解しづらい
そのため簡潔でリズム感のよい言葉であれば、ユーザーから高い認知度を得られるでしょう。
タグラインを制作して自社のメッセージを伝えましょう
今回は、タグラインの概要や事例、作る際のポイントを解説しました。
タグラインとは、企業や商品、サービスの独自価値を社内外へ端的に伝えるためのフレーズです。
具体的な事例として、下記の5つを紹介しました。
- しあわせは、すぐ届く
- 「自然を、おいしく、楽しく。」
- あったらいいなをカタチにする
- お口の恋人
- すべてはお客さまの「うまい!」のために。
また作る際のポイントには、「ターゲットを明確にする」「言葉のリズムを意識する」などがあります。
本記事でお伝えしたキャッチコピーやスローガンとの違いや効果なども参考にして、自社のタグライン作成に活かしてください。
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