Web制作における注意点
目次
Web制作(ホームページ制作)で起こりがちな「すれ違い」
発注企業(お客様)がWeb制作会社とのコミュニケーションが不十分だった場合、よくこのようなすれ違いが起きています。
何かイメージと違うんだよな。
表現したいことがこれでうまく表現できているのだろうか。。
うーん、そう言われても参考サイトにそっくりに作ったんだけどなあ。
どうしよう。。
いろいろな原因があるとは思いますが、こうしたことが起きてしまうとお互いに気持ちの良い取引が出来ないですよね。
こうしたことがなるべく起きないように、まずはWebサイト(ホームページ)を作成する、あるいはリニューアルする際の目的と目標を整理しましょう。
この記事を読むことでWebサイトの種類、サイトコンテンツ(内容)、目標設定のやり方がわかるようになりますので是非参考にしてみてください。
Web制作(ホームページ制作)の目的
Webサイトを制作する目的は明確に決まっていますか?
目的が明確に決まっておらずに「ただなんとなく格好良いWebサイトを作ってほしい」というのは、「なんとなく格好良い家を建ててほしい」というのと同じです。
Webサイト制作は家づくりに似ている
例えば家だったらこんな感じで細かく条件をリストアップすると思います。
- リビングは家族で広く使いたいから最低でも15畳以上
- 寒いのが苦手だから床暖房は必須
- 車が好きだからガレージはつけたい
これが無いと建築会社もカタログの中からざっくり「こんな感じはどうですかね?」くらいのイメージ提案しかできないですよね。
Webサイトに関してもこれと同じようなことが言えるのですが、意外とこのリストが無いままにざっくり依頼をしてしまう方がいらっしゃいます。
実際に家を建てるとなると多くの場合は人生に1回の買い物ですし、こだわりを持って依頼をすると思いますがホームページとなると「よくわからないからお任せします!」となってしまうようです。
Webサイトは自社の経営戦略に大きく影響する
Webサイトはホームページと呼ばれるくらいなので、Web上に家を建てるのととても似ているんです。
しかもそれが自社、あるいはサービスのブランドイメージを決定し、売上や企業の発展に影響すると考えたら本来は真剣に考えて取り組むべき内容なんですよね。
それじゃものすごく気負ってやらないといけないのかといえば、ここから先の記事を読めばそこまで難しくはないので安心してください。
改めて自社サイトを見直してみた時にWebサイトごとの特性に合わせて課題を確認してみましょう。
Webサイト(ホームページ)の種類と役割
コーポレートサイトとは
コーポレートサイトとは企業用のWebサイト(ホームページ)を指します。
一般的なコーポレートサイトですと下記のような内容(コンテンツ)があります。
コーポレートサイトの内容(コンテンツ)
- About us(わたしたちについて)
- コンセプト
- 事業内容
- サービス
- 商品紹介
- メディア掲載情報
- プレスリリース
- IR情報
- 代表メッセージ
- コラム
- 会社概要
- よくあるご質問
- 資料ダウンロード
- お知らせ
- お問合せ
- プライバシーポリシー
コーポレートサイトの役割
- 新規見込み顧客からの問い合わせを増やす
- 会社やブランドのイメージを向上させる
- 取引先の信頼を得る
- 金融機関からの信頼を得る
- 求職者からの信頼を得る(求職者はコーポレートサイトも見るため)
実店舗ビジネスを行っている場合は店舗用サイトのことをコーポレートサイトと呼ぶ場合もあります。
採用サイトとは
採用サイトとはコーポレートサイトとは別で作る採用に特化したWebサイト(ホームページ)です。
採用情報だけに特化して情報がまとまっていることから採用特設サイトとよばれることもあります。
私が過去に担当したお客様では採用サイトをリニューアルするだけで応募率が10倍になったこともあります。
それくらい採用における戦略上、重要であり今や採用活動を行うにあたっては無くてはならない存在とも言えます。
採用サイトの内容(コンテンツ)例
- 仕事内容、職種紹介
- メッセージ(代表、採用担当、社員など)
- 会社について
- 先輩社員インタビュー
- 座談会
- 求める人物像
- 福利厚生
- データで見る会社概要
- キャリアステップ
- 研修制度
- 求人情報検索(ポータル系採用サイトの場合)
- ギャラリー
- 募集要項
- よくあるご質問
- エントリーフォーム
- プライバシーポリシー
採用サイトの役割
- 求職者(中途、新卒)からの信頼を得る
- 自社の正しい情報を伝えることで採用のミスマッチを無くす
- ミスマッチを無くすことで採用担当者の負荷軽減
- 採用競争に勝ち自社に必要な人材を獲得する
- 採用媒体への依存を減らし採用コストを削減
LP(ランディングページ)とは
ランディングページ(Landing Page)とは、Google広告やSNS広告などの集客媒体からリンクを貼り、ユーザーに最初に着地(Land)してもらうページのことです。
一般的には縦に長い1枚物のページのことを指します。基本、1ページということでページ数を増やす仕様になっていないため検索エンジンからの集客(SEO対策)には不向きです。
そのため端的に言うとGoogle広告やSNS広告などで呼び込んだお客様に対して最適な情報をお伝えすることで売上につなげることがLPの役割であると言えます。
LPの内容(コンテンツ)例
- ユーザーの具体的な課題訴求(こんなお悩みありませんか?)
- 常識の破壊(思い込んでいた常識が間違いであったこと)
- 衝撃の事実(知っていそうで知らないこと)
- 理想の未来の掲示
- 商品のこだわり、サービスの特徴、選ばれる理由
- 消費者のリスクリバーサル(ご満足いただけなければ返金、30日保証など)
- 初回限定キャンペーン
- 権威性(○○ランキングNo.1、愛用者の数、科学的根拠など)
- お客様の声(レビュー、Instagramなど)
- FAQ(よくあるご質問)
- CTA(エントリーフォーム、LINE、電話など)
- プライバシーポリシー
LP(ランディングページ)の役割
- ユーザーにとって有益な情報を見せることで広告の費用対効果を高める
- 商品やサービスの魅力を深掘りして伝えることが出来る
- 競合他社にはない自社商品やサービスの魅力を伝えることで新規顧客を獲得する
Webマーケティング戦略を考える
Webサイトを作る際は、集客なども含めたWebマーケティング戦略が欠かせません。
ドラッガーの有名な言葉で「マーケティングとは販売を不要にするもの」という言葉があります。
ただWebサイトを作るだけではなくお客様の心の中に「買う理由」を作ることでプッシュ営業をしなくても自然とお客様の方からお問合せが来るようになります。
プッシュ型の営業からプル型の営業へ
私がWebマーケティングの業界に入ってから驚いたことは、お客様の方からお問合せが来るということです。それまでの営業は自分から電話や訪問を行い、プッシュしていくような営業でした。
それが、Webマーケティングを使うことでお客様の方からお問合せが来るいわゆるプル型の営業を経験することにより、それまでの営業の価値観が大きく変わりました。
営業はモノを売りつけるのではなく、お客様のお悩みや課題を解決する仕事だということです。日々、プッシュ営業ばかりやっているとお客様の課題解決に割く時間が削られてしまいます。
つまり自社の商品やサービスが「売れる仕組み」あるいは「お問合せが来る仕組み」をWebサイトに任せて、自分はお客様の課題解決に時間を割けることがWebサイトの大きな価値だと言えるでしょう。
KPI設定とは
KPIとはKey Performance Indicatorの略です。
日本語だと主要業績評価指標となんだか難しい呼び方をしますが、要は目的を達成するまでのステップを細分化し、数値化することです。
人間とは不思議なもので、数値化することでそれまでぼんやりとしていた目的の達成方法が具体的な数値として見えてくるので達成するまでに何をすればよいのかが明確になってきます。
ダイエットもKPI設定で成功しやすくなる
ダイエットに例えると、あなたが10キロダイエットしようとしたときに、無理やり食べるのをやめて闇雲に痩せようとしても体に良くないですし、必要なカロリーと栄養バランスを取れていないのですぐにリバウンドしてしまう可能性があります。
それよりもダイエット用のアプリなどを使って1日に食べたものの栄養とカロリーを適正に取りながら散歩など続けられる運動を適正量行うことで健康に痩せることが出来ます。
ちなみに僕はそれで本当に10キロ痩せました!笑
食べたものを数値化することで目的までの到達を健康的にできているのかが明確に見える化できたことは本当にWebサイトの改善と同じだと感じました。
Webサイトの場合、GoogleアナリティクスというGoogleの分析ツールがあるので、これにより現在のアクセス数、滞在時間、問合せ率などがわかるので、目的を目標として明確に設定することが出来ます。
KPI設定の事例
- Webサイトからの問い合わせが月間で1件しかないから10件来るようにしたい
- 資料請求が1件もないので月間で20件くらい来るようにしたい
- 採用サイトからの応募件数を3倍にして人材獲得コストを3分の1にしたい
このような数値ベースでの目標設定をすることで制作会社としても具体的に目指すべきゴールが見えやすくなりより具体的な提案が貴社に来ることとなります。
もちろんこうしたKPIを達成するために1回のリニューアルで達成することもあれば、1年かけて集客施策含めてトータルで見直す必要も出てくるかもしれませんがしっかり取り組んでいけば間違いなく数字は改善されていきます。
もし上記の数値部分をどう改善していけば良いのか相談したい場合は月間3社限定でアドバイス可能ですのでお問合せ下さい。
Webサイト制作の流れ
さて、その後のWebサイト制作の流れですが簡単に言うと下記のような流れで本番公開まで進みます。
- 企画・設計
- ワイヤーフレーム
- トップページデザイン
- 下層ページデザイン
- トップページコーディング
- 下層ページコーディング
- サーバー設定、CMS組み込み
- テスト
- 公開
基本的にこの工程で進みますが、期待値のズレが起きるのを防ぐためには全体工程の中でも最初の部分が特に重要です。
つまり大抵の場合、①〜④の工程を見直すことで期待値のズレを防ぐ対策がしやすくなるということです。
では、初期段階どのようなことを意識すべきなのかを見ていきましょう。
Web制作において確認しておくべきこと
制作会社が良い提案をくれないなと感じた場合、たしかに制作会社側の力不足も考えられますがいま一度、Webサイト制作の目的や目標を整理してみると良いでしょう。
その上で下記のような部分を制作会社と話し合いながら詰めていくことをお勧めします。
- 予算
- スケジュール
- 参考サイト(デザインのテイスト)
- Webサイトに期待する役割
- ターゲット(ペルソナ)
- Webサイトにおける必須機能
- Webサイトにおける任意機能
- 制作側に期待すること
- サーバー、ドメインの用意
- 素材提供の有無(④のデザイン段階までには必須)
- 制作後の運用管理体制
- ロゴの有無(無いのであれば制作するかどうか)
- CMSの指定や制限(特にセキュリティ面)
- 保守や集客支援が必要かどうか
全部を自社で賄うのは厳しい面もあるかもしれないので、その場合は制作会社に上記を明確にするために相談してみましょう。
特に重要なのがどのようなイメージのサイトを作りたいのかを明確に伝えることです。
例えば、美容師に「どんな髪型がしたいですか?」
と聞かれた時に「お任せで!」と言うのはどうでしょう?
行きつけの担当であれば良いですが初めての美容師さんだとちょっと怖いですよね。
それよりは自分でヘアスタイルのカタログを見て「こんな感じの髪型にしてください」と伝えた方が安心感があると思います。
Web制作においても同じです。
美容室におけるヘアスタイルカタログと同じ役割をするのが参考サイトです。
参考サイトは下記のようなWebサイトから探してみても良いでしょう。
縦長のwebデザインギャラリー・サイトリンク集|MUUUUU.ORG
https://muuuuu.org/
イケサイ ウェブデザイナーのWEBデザインデータベース
https://www.ikesai.com/
素材提供とは
Webサイトに使う写真やテキストのことを素材と言いますが、当然良い素材を使った方が良いクリエイティブが出来上がります。
美味しい食材を使った方が美味しい料理が出来上がるのと同じですね。(料理人の腕にも依りますが・・!)
Web制作会社はWebサイトを作るプロですがお客様自身の事業に関するプロはお客様自身です。
プロ同士が手を組み、協力し合うことで良いWebサイトが出来上がります。つまり、ご自身の事業においてもっとも伝えたいこと、テキストは自社で絶対に用意するべきでしょう。
もちろん大変な作業ではあると思いますが、せっかくリニューアルをするのであればこれを良い機会ととらえて改めて自社サービスをどう伝えれば顧客に伝わるのかを整理してみましょう。整理する中で新たな発見もあるはずです。
Webサイト制作の一般的なスケジュール感
ボリュームによりますが、TOP+下層10ページほどで、だいたい3ヶ月前後です。LPと呼ばれる1枚もののページだと企画設計含めて1ヶ月半くらいを見ておきましょう。
この際も必要なこととして発注する側がきちんとどういったものを作りたいのかまとめておくことが重要です。
良いWebサイトを作るには発注者と制作会社の協力が必須
前述したように良いWebサイトは発注者(クライアント様)と受注者(制作会社)の協力体制が必要不可欠です。
なぜならお互いそれぞれの分野でのプロだからです。
発注者はプロジェクトの目的と目標を整理し、受注者はその目的や目標を達成するために最も効果的な提案をプロとしてして行うことが重要です。
株式会社NOBUではただ単に言われたサイトを作るのではなく、事業の目的達成において必要なご提案を行うことを大切にしています。
それは、失敗するWeb制作において制作会社側の提案不足やヒアリング不足、調査不足を見てきたからです。それと同時に発注者側の協力不足も見てきました。
NOBUではプロジェクトに入る際にはもちろんクライアント様の業界調査も徹底的に行いますが、現場で活躍されているクライアント様自身の生の声や独自性をしっかりとWebサイトに反映することが重要です。
もしWebサイトのことで相談してみたいと思っていただけた方はお問合せお待ちしてます!