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img投稿日: 2023.03.16
img最終更新日: 2023.08.09

P-MAXキャンペーンとは?設定方法や注意点を詳しく解説!

Google広告のP-MAXキャンペーンとは?詳しく解説します

Google広告関連の情報を見ていると出てくるP-MAXキャンペーンという言葉。聞いたことはあるけれど、どのようなものか詳しくはよく知らないという方も多いでしょう。

そこでこの記事では、Google広告のP-MAXキャンペーンとはどのようなものか詳しく解説。さらに、P-MAXキャンペーンを活用するメリット・デメリットも紹介します。

P-MAXキャンペーンとはどのようなものなのか、どのような時に活用すれば良いのか知りたい方は、ぜひご覧ください。

P-MAXキャンペーンとは

P-MAXキャンペーンとは、さまざまな枠に広告を掲載できるシステムのことです。まずは、概要から解説します。

Google広告すべての広告枠に配信可能

P-MAXキャンペーンとはイメージ

P-MAXキャンペーンを活用すると、次のようなGoogle広告が提供する広告枠を網羅して配信可能です。

  • 検索広告
  • ディスプレイ広告
  • 動画広告

これまでは、広告の配信先ごとにキャンペーンを作成しなければなりませんでした。P-MAXキャンペーンのサービスが提供されたことで、まとめて広告を管理できます。

機械学習による調整

機械学習による調整が行われるのも特徴です。何を成果とするか設定しておくと、自動的に配信先や入札価格などの最適化が行われます。

今までも機械学習による最適化は行われていました。しかし、キャンペーンごとに情報を収集して最適化を行っていたため、配信先をまたいでのデータ収集は行われていませんでした。

P-MAXキャンペーンでは、複数の配信先からデータを収集できます。より成果が期待できる配信先に重点的に広告配信が行われることに加え、これまでより多数のデータを収集・分析した結果を基に最適化が可能となりました。

あらゆるコンバージョンを最大化するとされていますが、特に、次のような目的で広告を配信する場合に適したシステムです。

  • 販売促進
  • 見込み客の獲得
  • 来店数の増加
  • 店舗売り上げの向上
  • トラフィックの獲得

上記のような目的を設定している場合には、便利に利用できるでしょう。

P-MAXキャンペーンのメリット

P-MAXキャンペーンのメリットは次の通りです。

  • 幅広くさまざまなユーザーにアプローチできる
  • 管理に手間がかからない
  • 成果の向上が期待できる

それぞれ、詳しく解説します。

幅広くさまざまなユーザーにアプローチできる

P-MAXキャンペーンを活用すると、幅広くさまざまなユーザーにアプローチできます。P-MAXキャンペーンでは、今まで広告を配信できなかった場所にも広告掲載が行われるようになりました。そのため、これまで広告が届いていなかった新たなユーザーに対して広告を届けられるようになる可能性があります。

例えば、動画は見るけれどWebページはそれほど時間をかけて視聴しないというユーザーもいるでしょう。そんなユーザーにも、情報を届けられるようになりました。

幅広いユーザーにアプローチすると、広告効果が薄れてしまうのではないかと心配になる方もいるでしょう。しかし「検索エンジンを利用しないユーザーにも届けられる」という点で幅は広がりますが、最適化によってアプローチするユーザーを選んでおり、やみくもに配信されるわけではありません。

もちろん、配信後に効果を検証する必要はありますが、マスメディアでの広告配信とは違い、インターネットの強みを活かしたアプローチが可能です。

管理に手間がかからない

管理に手間がかからない点もメリットです。手間がかからない理由の1つめは、1つのキャンペーンを設定するだけであらゆる配信先に広告を掲載できることです。今までは複数の配信先に広告を掲載するためには、複数のキャンペーンを作らなければなりませんでしたが、P-MAXキャンペーンならば、まとめて管理できます。

設定変更が必要になった場合、これまでは1つ1つ手作業で変更しなければならないケースも少なくありませんでした。まとめて管理できるようになると、運用のコストを削減できる可能です。

また、機械学習が導入されていることで、人の手による細かい最適化が不要な点も、管理に手間がかからない理由です。最初にある程度の設定を済ませておけば、あとは機械学習で自動的にデータを学習し、最適化が進められます。

今まで、広告を適切に運用するために時間をかけていたという企業も多いかと思います。その手間を削減できれば、本来注力すべき事業に従業員のリソースを集めることも可能です。

成果の向上が期待できる

成果の向上が期待できる

成果の向上を期待できる点もメリットです。P-MAXキャンペーンでは従来と異なる枠にも広告配信が可能なため、新しいユーザーへのリーチが期待できます。リーチするユーザーが増えれば、これまでより高い成果が得られるターゲット層が見つかるかもしれません。

また、機械学習による最適化が行われるのも、成果の向上が期待できる理由のひとつです。より成果が高まるよう自動で最適化されるため、高い成果が期待できます。

費用を抑えて、これまでよりも多くの成果が出せるようになれば、より多くの利益が得られる可能性もあります。その利益を再度投資して、得られる利益を増やしていくこともできるでしょう。

P-MAXキャンペーンのデメリット

P-MAXキャンペーンのデメリット

P-MAXキャンペーンには、メリットだけでなくデメリットもあります。デメリットは次の6つです。

  • 細かい分析や調整が難しい
  • 従来のキャンペーン配信が縮小する可能性がある
  • スポットでの配信に向いていない
  • 配信結果を説明するのが難しい
  • ユーザーを絞り込んでの配信が難しい
  • 除外キーワードを設定できない

それぞれ、詳しく解説します。

細かい分析や調整が難しい

P-MAXキャンペーンの最大の特徴は、機械学習によって自動的に広告配信が最適化されることです。しかし裏を返せば、最適化を機械学習に任せることが前提とされているため、人の手による細かい分析や調整が難しい傾向があります。

P-MAXキャンペーンでは、ユーザーが調整できるのは次の2点のみです。

  • 予算
  • クリエイティブアセット

クリエイティブアセットとは、広告として掲載されるテキストや画像のことです。これ以外の部分、例えば「YouTubeに重点的に広告を配信したい」といったような設定はできません。

ある程度細かい部分まで設定しながら広告を配信したいという場合には、不向きな方法だと言えるでしょう。

従来のキャンペーン配信が縮小する可能性がある

従来のキャンペーン配信が縮小する可能性がある

P-MAXキャンペーンを利用すると、すでに配信しているキャンペーンが縮小する可能性があります。

具体的に縮小される可能性があるのは「ショッピング」です。Google広告のヘルプには、次のような文言があります。

P-MAX キャンペーンは、同じ Google 広告アカウントで同じ商品を掲載している既存のショッピング キャンペーンよりも優先されるため、P-MAX を開始すると、ショッピング キャンペーンの広告掲載が少なくなり(P-MAX の予算がショッピング キャンペーンより低い場合でも)、それに対応して P-MAX の広告が掲載されるようになります。出典:Google広告ヘルプ

ショッピング広告を活用しているケースでは、P-MAXキャンペーンの利用を始めると配信が縮小されてしまう可能性があります。別の担当者がショッピング広告を配信しているといった場合には、特に注意が必要です。

スポットでの配信に向いていない

P-MAXキャンペーンは、機械学習を活用し、集めた情報を活かしてより効率的な広告配信ができるよう最適化していくシステムです。短期間での運用では十分にデータを集められないため、イベントなど短期間での配信には向いていません。

スポットで広告配信をしたい場合には、通常のキャンペーンを利用した方が良いでしょう。各サービスの得意分野を見極めながら、利用すべきツールを選ぶことも重要です。

配信結果を説明するのが難しい

P-MAXキャンペーンは、機械学習の結果によって配信先や配信される広告が決まります。そのプロセスは確認できないため、なぜその配信先や広告が選ばれたのか、配信結果を第三者に説明するのは難しいでしょう。

また、急激にパフォーマンスが低下してしまった場合などに、原因がはっきりわからないことも問題となる可能性があります。通常は、パフォーマンス低下の原因を調査し、改善案を考えて実行します。しかし、P-MAXキャンペーンではそもそもデータが提供されていないため、どのポイントをどのように改善すれば良いかわかりませんし、改善する手立てもありません。

状況が変わった後に機械学習のデータ収集が進めばパフォーマンスが元に戻る可能性もありますが、何もせずに待っているだけではもどかしいと感じることもあるでしょう。また、パフォーマンスが低下している間にもデータ収集のために広告運用をしなければならないのはムダだと感じられてしまう可能性もあります。

上司などから説明を求められる可能性がある場合「機械学習による最適化の結果」と説明して納得してもらえるか、ある程度事前に考えておいた方がよいかもしれません。

ユーザーを絞り込んでの配信が難しい

P-MAXキャンペーンでは、誰をターゲットとして広告を配信するかも機械学習の結果によって最適化が行われます。「オーディエンスシグナル」の項目を設定すればある程度ターゲットを絞ることはできます。ただし、ターゲット以外のユーザーに広告が配信されないわけではありません。

オーディエンスシグナルはあくまでも機械学習が参考にする情報のひとつだと考えておいた方が良いでしょう。そのため、例えば「30代女性に限定して広告を配信したい」という場合には、P-MAXキャンペーンの利用は向いていません。

ただし、P-MAXキャンペーンでも地域を限定しての配信は可能です。例えば「東京にいる人に向けて広告を配信したい」といった方法なら、配信できます。

除外キーワードを設定できない

P-MAXキャンペーンでは、アカウント単位でしか除外キーワードを設定できません。除外キーワードとは、特定のキーワードで検索された場合に、自社の広告を配信しないよう設定するものです。

アカウント単位の除外キーワード設定となってしまうため、キャンペーンAは特定のキーワードで表示させたくないけれど、キャンペーンBは除外キーワードを設定せず運用したい、といった使い方ができません。除外キーワードを利用して運用したい場合には、活用を慎重に検討する必要があるでしょう。

P-MAXキャンペーンの設定手順

それではここから、P-MAXキャンペーンを設定する手順を詳しく解説します。

キャンペーンを作成する

まずは、キャンペーンを作成します。Google広告の画面を開いたら「概要」から「新しいキャンペーンを作成」をクリックしてください。

キャンペーンの作成ページが開いたら、キャンペーン目標を選択してください。

選択すると「これらのコンバージョン目標を使用して販売促進を改善する」という項目が表示されるので、確認し、問題がなければ「続行」をクリックしてください。

キャンペーンタイプの一覧が表示されるので「P-MAX」を選んで「続行」をクリックします。

これで、キャンペーンが作成されました。

予算・入札単価を設定する

キャンペーンを作成すると、予算と入札単価を入力するページが表示されます。予算は、1日あたりの平均費用として、希望する額を入力します。

目標コンバージョン単価の設定は任意です。設定したい場合には「目標コンバージョン単価を設定」の項目にチェックを入れると、入力欄が表示されます。

配信地域・言語・最終ページURLを設定する

予算と入札単価を設定したら、次に配信地域や言語を設定しましょう。これらの設定は左端のメニューから「キャンペーン設定」をクリックすると表示されます。

地域と言語の設定の下には「その他の設定」の項目が用意されています。必要に応じて、広告のスケジュールや最終ページURLの拡張などの項目も設定しておきましょう。

最終ページとは、ユーザーが広告をクリックした際に表示されるページのことを指しています。オンにしておくと、同じドメインに掲載しているページの中から、より成果が上がりやすいページが表示されます。

同じドメイン内のどのページにアクセスされても問題ない、できるだけユーザーの興味をひけるようなページにアクセスしてほしい場合には、オンにしておきましょう。基本的にはサイト内のどこにアクセスされても良いけれど、会社概要やプライバシーポリシーなどのページは例外にしておきたい、といった場合には、URLの除外設定も可能です。

オフにした場合、指定したページのみが表示される設定です。例えば、広告専用のLPを用意していて、広告からアクセスしたユーザーには必ずLPを見てもらいたい、という場合には、オフにしておきましょう。

アセットグループを設定する

次に、アセットグループを設定しましょう。アセットグループとは、広告を配信する際に使われる画像や文章のグループを指します。どの広告を表示する際にどのクリエイティブを使うか、次の項目を設定してください。

  • 最終ページURL
  • 画像
  • ロゴ
  • 動画
  • 広告見出し
  • 長い広告見出し
  • 説明文
  • 会社名
  • サイトリンク
  • 行動を促すフレーズ

入力すると、プレビューが表示されるので、各広告の見た目が問題ないか確認しておきましょう。

P-MAXキャンペーンでは、それぞれの項目で設定できる最大の数だけ、データを入稿しておくことが推奨されています。より高い効果を得たい場合には、クリエイティブを用意しておきましょう。

オーディエンスシグナルを設定する

そのまま下に進むと、オーディエンスシグナルの設定項目が表示されます。ターゲットをある程度絞って広告配信をしたい場合には、設定しておきましょう。

「オーディエンスシグナルを作成」のボタンをクリックすると、作成画面が表示されます。

必要に応じて、各項目を設定してください。

ここまでで、新しいキャンペーンの作成は完了です。左端のメニューから「概要」を選択し、問題が無ければ設定を完了してください。

広告表示オプションを設定する

最後に、広告表示オプションを設定しましょう。広告表示オプションとは、住所や価格、追加のリンクなどユーザーにとって有益な情報を広告周辺に表示するものです。

広告表示オプションは、Google広告のダッシュボードから「広告と広告表示オプション」のタブを開いてアクセスできます。

広告表示オプションの画面を開いたら「+」のマークをクリックすると情報を追加できます。プルダウンから設定したい広告表示オプションの種類を選んで、必要な情報を入力してください。

情報の追加先は、アカウントか任意のキャンペーンから選択可能です。情報の内容に応じて、情報の追加先を設定しましょう。追加先を選択したら、保存して設定は完了です。

P-MAXキャンペーンの注意点

P-MAXキャンペーンを利用する際には、次のような点に注意が必要です。

  • 既存のキャンペーンと併走させる
  • 設定によってはリンク先が意図しないページになる可能性がある
  • 広告見出しや動画が自動生成される可能性がある

それぞれの項目について、詳しく解説します。

既存のキャンペーンと併走させる

P-MAXキャンペーンは、最新の技術を使った広告の方法ではあるものの、まだまだ未知数な部分が多くあります。いきなり既存のキャンペーン配信を停止し、P-MAXキャンペーンのみの配信にすると、配信回数の大幅な減少やコンバージョンの極端な悪化などが発生する可能性があります。

そのため、最初にP-MAXキャンペーンを使うときには、既存の広告キャンペーンと併用することがおすすめです。しばらく両方のキャンペーンを運用し、P-MAXキャンペーンの方が便利だと感じたら、一本化すると良いでしょう。

機械学習のためにデータを収集する必要があるため、4週間程度は既存のキャンペーンと併用しながら様子を見るのが良いとされています。だいたい1ヶ月程度は、2種類のキャンペーンを活用した広告運用ができるよう、計画しておきましょう。

設定によってはリンク先が意図しないページになる可能性がある

P-MAXキャンペーンでは、ユーザーがクリックした時に表示させるページを、機械学習で自動的に最適化する機能があります。この機能は、特に何も設定していない場合にはオンになっているため、設定を変更しないと広告からアクセスされる先が意図しないページになる可能性があります。

LPを作成した場合など、決まったページにアクセスしてもらいたい場合には「最終ページURLの拡張」の機能をオフにしておきましょう。

広告見出しや動画が自動生成される可能性がある

P-MAXには、さまざまなクリエイティブを設定できます。しかしこのとき、クリエイティブの設定がされていないと、すでに設定した項目を組み合わせて自動生成される可能性があります。

例えば、動画を登録していない場合には、自動生成された動画が配信されてしまうかもしれません。ブランドイメージをしっかりコントロールしたい場合には、配信を避けたいと考える企業も多いでしょう。また、組み合わせによっては、景品表示法や薬機法などの法律に違反してしまうリスクもあります。

意図しない広告の配信を避けたい場合には、すべてのクリエイティブを用意し、設定しておくことが必要です。

まとめ

Google広告のP-MAXキャンペーンは、機械学習を利用して自動的に広告を作成してくれる非常に便利な機能です。しかし、簡単に利用できるだけに、細かい設定が難しいというデメリットもあります。

メリット・デメリットを知った上で、P-MAXキャンペーンを利用するか検討しましょう。

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