スマートディスプレイキャンペーン(SDC)とは?設定方法や注意点を徹底解説!
Google広告を利用していて、スマートディスプレイキャンペーンという言葉を見たり聞いたりしたことがある方もいるでしょう。しかし中には、言葉は知っていてもどんなものか詳しくは知らないという方もいますよね。
そこでこの記事では、スマートディスプレイキャンペーンとは何かを詳しく解説。さらに、スマートディスプレイキャンペーンを活用するメリットやデメリットも紹介します。
スマートディスプレイキャンペーンとは何か、気になっている方はぜひご覧ください。
目次
スマートディスプレイキャンペーンとは
スマートディスプレイキャンペーン(SDC)とは、ディスプレイ広告をシンプルに設定・管理できるよう作られた機能です。以下に紹介する3点を、機械学習を利用して自動化することで、広告運用にかかる手間を減らします。
- 入札設定
- ターゲット設定
- 広告の作成
上記3つの項目については、この後詳しく解説します。
なお、スマートディスプレイキャンペーンを利用するためには、以下いずれかの条件を満たす必要があります。
- ディスプレイ広告で過去30日間に50件以上のコンバージョンを獲得
- 検索広告で100件以上のコンバージョンデータを獲得
ディスプレイ広告のコンバージョン数は50件あれば利用条件を満たしますが、Googleでは100件以上の獲得が推奨されていることも知っておきましょう。
入札設定
スマートディスプレイキャンペーンを利用すると、入札設定が自動化されます。ユーザーが設定しなければならないのは、目標コンバージョン単価(目標CPA)のみ。設定した目標CPA以下で最大限コンバージョンを獲得できるよう、自動的に入札単価を設定します。
ターゲット設定
今までに獲得されたコンバージョンのデータを参考に、自動でコンバージョンに至る可能性の高いユーザーを判断し、広告を配信します。
ターゲット設定の自動化で活用されるのは「動的プロスペクティング」と呼ばれる技術です。動的プロスペクティングとは、閲覧履歴などのデータをもとに、新規のユーザーに対して、ユーザーが興味を持ちそうな情報を提供する技術のこと。従来は、主に年齢や性別などユーザーの条件を絞ることで広告の成果を高めていましたが、さらに多くのデータを活用することで、より成果の向上が期待できます。
広告の作成
広告の作成を自動で行うのも特徴です。スマートディスプレイキャンペーンでは、素材を入稿しておけば、必要なデータを自動的に組み合わせて広告が作成されます。必要な素材の種類は次のとおりです。
- 広告見出し
- 説明
- ロゴ
- 画像
今までは、広告のサイズが異なる場合、ユーザーがサイズの異なる画像を用意して入稿する必要がありました。しかし、スマートディスプレイキャンペーンでは、画像を1つ入稿しておけば、配信する広告のサイズにあわせて自動でカスタマイズされます。運用面だけでなく、クリエイティブの作成にかかる手間も削減できます。
スマートディスプレイキャンペーン導入のメリットデメリット
スマートディスプレイキャンペーンの導入には、さまざまなメリット・デメリットがあります。それぞれ詳しく説明するとともに、スマートディスプレイキャンペーンはどのような企業に適した機能なのかもあわせて解説します。
メリット
スマートディスプレイキャンペーンを導入するメリットは次の2つです。
- 広告の運用や作成にかかる手間を削減できる
- 自社が思いつかないユーザーにアプローチできる
上記で解説したとおり、スマートディスプレイキャンペーンでは、最低限の設定だけしておけば、あとは機械学習によるデータを参考に、自動的な広告の配信が行われます。また、必要なクリエイティブの数も従来と比べると少ないのが特徴です。そのため、今までよりも少ない手間で広告の運用や作成ができます。
また、ターゲット設定も自動で行われるため、従来自社の顧客ではなかったユーザー層へのアプローチが行われ、新規顧客層の開拓に繋がる可能性があります。
デメリット
スマートディスプレイキャンペーンのデメリットは、次の2点です。
- 機械学習のデータ収集に時間がかかる
- 細部の設定が難しい
スマートディスプレイキャンペーンでは機械学習を活用しているため、データの収集に時間がかかります。実際のコンバージョンデータも利用しますが、それだけでは不足しているデータを補うため、特に運用開始してすぐの時期にはコンバージョンが大幅に低下する可能性があります。また、新規に運用を始めた時だけでなく、商品を取り巻く状況に大きな変化があったような時にも注意が必要です。
また、さまざまな面を自動化できる一方で、詳細な設定ができない点はデメリットと言えます。例えば、配信するデバイスや性別の除外設定はできません。また、細かい配信単価の設定や配信対象の指定もできません。
スマートディスプレイキャンペーンが適している企業
上記のメリット・デメリットをふまえると、スマートディスプレイキャンペーンは次のような企業に適したサービスだと言えます。
- 手間をかけずに広告を運用したい
- 新規のターゲット層を見つけたい
- 成果が出るまでの時間を許容できる
手間をかけずに広告を運用できるため、それまで広告運用に書けていた時間を別の業務に使えるようになります。また、人手が足りない企業でも重宝する機能です。一方で、手間がかかっても良いので自社で細かい設定をしたいという企業には向いていません。
自社が想定していないターゲットに対してもアプローチが可能なため、新規のターゲット層を探している企業にも適しています。ただし、機械学習はデータの収集に時間がかかるため、成果が出るまでの時間を許容できる企業でなければ活用は難しいでしょう。
スマートディスプレイキャンペーンの設定方法
スマートディスプレイキャンペーンの設定手順は次の通りです。
- 目標を設定する
- 単価や1日の予算を設定する
- クリエイティブの素材を設定する
それぞれ、詳しく解説します。
目標を設定する
Google広告の管理画面から「新しいキャンペーンを作成」を選んだら、まずは目標を設定しましょう。
目標を選ぶとキャンペーンタイプを選択する画面が表示されるので「ディスプレイ」を選択してください。
さらに表示された項目から「スマートディスプレイキャンペーン」を選択します。
単価や1日の予算を設定する
単価設定の項目は、表示されると自動で数値が入力された状態となっています。さまざまなデータをもとに最適化されたデータが入力されているためそのままでの運用が推奨されていますが、必要に応じて変更しておきましょう。
さらに、1日の予算を設定します。ただし、予算といっても1日単位で設定した金額を超えないよう運用されるわけではありません。1ヶ月単位で平均すると1日分の費用が予算に沿うよう広告が配信されます。1日あたりで見ると、予算の最大2倍まで広告配信が行われる可能性があるため注意してください。
クリエイティブの素材を設定する
各種設定が済んだら、クリエイティブの素材を入稿します。入稿が必要な項目は次の7つです。
- 画像とロゴ
- 動画
- 広告見出し
- 長い広告見出し
- 説明文
- 会社名
画像とロゴは、スクエア1個と横向き1個の登録が必須です。広告見出しと説明文は、5個まで作成できます。保存すれば、設定完了です。
スマートディスプレイキャンペーンを導入するコツ
スマートディスプレイキャンペーンを導入する際に知っておきたいコツは次の6つです。
- コンバージョンの実績があるキャンペーンで導入する
- どの組み合わせでも意味がわかるよう設定する
- 機械学習には時間がかかることを知っておく
- 適切な目標を設定する
- コンバージョンポイントを1つに絞る
- スマートディスプレイキャンペーン以外は停止する
それぞれ、詳しく解説します。
コンバージョンの実績があるキャンペーンで導入する
スマートディスプレイキャンペーンでは、過去のコンバージョン実績データをもとに広告を最適化します。最低条件では過去30日間で50件のコンバージョンがあれば利用可能ですが、できるだけ実績数が多い状態でスマートディスプレイキャンペーンを利用した方が効果を期待できます。
複数の広告を運用している場合には、まず実績数の多いものからスマートディスプレイキャンペーンの導入を検討してみましょう。
どの組み合わせでも意味がわかるよう設定する
スマートディスプレイキャンペーンでは、入稿したクリエイティブを自動で組み合わせて広告の最適化が行われます。ユーザーが組み合わせを指定することはできません。そのため、クリエイティブを入稿する際には、どの組み合わせで使われても意味がわかるように設定しましょう。
最初は問題なくても、追加や差し替えを行ううちに意味が通らない組み合わせができてしまうこともあります。新しいクリエイティブを追加する際には、毎回の確認を忘れず実施してください。
機械学習には時間がかかることを知っておく
前述の通り、機械学習には時間がかかります。成果が出ていないからといってコロコロ設定を変えてしまうと、活用したデータにズレが生じ、なかなか成果がでない原因となります。
数週間程度は学習のために必要な期間と割り切って、設定を変えずに配信を続けてください。
適切な目標を設定する
スマートディスプレイキャンペーンでは、目標に対して広告が最適化されます。そのため、適切な目標を設定することが非常に重要です。キャンペーン目標の設定画面で表示される目的には、内容が似たものもあります。「なんとなく」で選ぶのではなく、広告を配信する目的から逆算して適切な目標を設定しましょう。
また、目標CPAの値を適切に設定することも重要です。目標CPAの値が低すぎると、最適化できるユーザーが見つからず、広告が配信されない可能性があります。設定を済ませたにも関わらず広告が配信されていない場合には、目標CPAの値を確認してみてください。
コンバージョンポイントを1つに絞る
複数のコンバージョンポイントを設定した場合、いずれかに偏った広告配信となってしまう可能性があります。極端な例ですが、購入完了画面の表示と、問い合わせボタンのタップをどちらもコンバージョンポイントに設定したケースを考えてみましょう。このとき、購入完了よりも問い合わせの方がCPAが低いと判断されると、より多くの問い合わせを集められるよう最適化された広告が配信されます。
商品購入を期待して広告を配信している場合、最適化の方向性にズレが生じてしまうため、コンバージョンポイントは適切なものを1つだけ選んでおくのが無難です。
スマートディスプレイキャンペーン以外は停止する
スマートディスプレイキャンペーンは、集めたデータをもとに広告を最適化します。スマートディスプレイキャンペーン以外にもディスプレイキャンペーンを同時に配信していると、コンバージョンのデータが分散されてしまいます。
スマートディスプレイキャンペーンに情報を集中させることでより成果が出やすくなるため、他のキャンペーンは停止させておくのがおすすめです。
リスティング広告は外注でも運用可能
自社で広告を運用するのが難しい、スマートディスプレイ広告を活用してもまだ手間がかかりそうだと感じる場合には、リスティング広告の運用を外注することも可能です。
リスティング広告の運用を外注すれば、スマートディスプレイキャンペーンを活用するよりさらに手間を減らせる可能性があります。また、ノウハウを持ったプロが運用するため、効果が期待できる点もメリットです。
NOBUでは、リスティング広告による集客サポートを行っております。リスティング広告の運用をお考えでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
Google広告のスマートディスプレイキャンペーンは、機械学習を利用して入札設定やターゲット設定、広告作成を自動化できる機能です。広告運用にかける労力を減らせるため、業務の効率化にも役立つでしょう。
また、従来のターゲット層と異なるターゲットにアプローチする機能もあるため、顧客の新規開拓を進めたい企業にも適しています。この記事を参考に、スマートディスプレイキャンペーンへの取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。