リスティング広告の改善方法とは?効率良く進めるコツも徹底解説!
リスティング広告は、ただ出稿しただけで最初からうまくいくことはまずありません。より高い成果を出すためには、収集したデータを分析し、それをもとに改善しながら運用することが重要です。
しかし、どのように改善すればよいのかわからない方もいるでしょう。そこでこの記事では、リスティング広告の課題を改善する流れと改善方法の具体例を紹介。さらに、効率良く改善するためのコツも紹介します。
リスティング広告の運用にお悩みの方は、ぜひご覧ください。
目次
リスティング広告の課題を改善する流れ
リスティング広告の課題改善は、次の手順で行いましょう。
- 課題を把握する
- 課題発生の原因を追究する
- 改善方法を考える
- 実践・検証する
それぞれ、詳しく解説します。
1.課題を把握する
まずは、改善すべき点を見つけるために、課題を把握しましょう。課題を把握するためには、目標KPIと実績の数値を比較します。そのため、リスティング広告運用を始める前には、目標KPIを設定しておくことが重要です。
リスティング広告を運用する上で確認すべき指標の例には、次のようなものがあります。
KPI | 指標が示すもの |
---|---|
インプレッション(IMP) | 広告が表示された回数 |
クリック数(CT) | 広告がクリックされた数 |
クリック単価(CPC) | 広告が1回クリックされるごとにかかった金額 |
クリック率(CTR) | 広告がクリックされた割合 |
コンバージョン数(CV) | 広告で求めている成果(注文、問合せ等)の数 |
コンバージョン率(CVR) | 成果が上がった割合 |
注文獲得単価(CPA) | 1件の注文を獲得するためにかかった広告費 |
広告費用対効果(ROAS) | 広告費1円あたりどれだけの売上を得られたか |
ほかにもさまざまな指標がありますが、重要なのは最終的な目的を考え、そこから逆算して確認すべき指標とその目標を設定することです。
適切な目標を設定することで、運用開始後に課題を正しく認識できます。
2.課題発生の原因を追究する
課題を把握できたら、なぜその課題が発生しているのか、原因を追及します。
例えばコンバージョン率が低い場合には、次のような原因が考えられます。
- キーワード選定が適切でない
- 広告文とLPの内容にズレがある
- LPが魅力的でない
とはいえ、何が原因で思うように成果が出ていないのか、完全に把握するのは不可能です。あくまでも仮説として原因を考え、各項目に問題がないか確認しましょう。
3.改善方法を考える
課題発生の原因を追及できたら、次に改善方法を考えます。
例えば広告文とLPにズレがある場合には、次のような改善策が考えられます。
- 広告文を変更する
- LPの内容を修正する
- LPのデザインがターゲットに合っているか確認する
複数の改善策の中から、どの改善策が一番目的に近づけるか考えてみてください。
4.実践・検証する
改善方法を考えたら、実際にその改善を実践し、ある程度の期間運用して効果を検証します。実行した改善策が、効果的なものであったかを確認しましょう。
検証の結果、課題が解決されていなければ別の改善策を試します。課題が解決されているのであれば、最初に戻って別の課題を探しましょう。
課題の把握から検証までのステップを繰り返すことで、広告の効果をより高められます。
リスティング広告の課題と改善方法の例
リスティング広告の課題は先にも少し紹介しましたが、具体的に次のようなものがあります。
- インプレッションが低い
- クリック率が低い
- コンバージョン率が低い
- コンバージョン単価が高い
これらの課題をどのように解決すればよいのか、それぞれの解決方法の例を紹介します。
インプレッションが低い場合の施策
インプレッションが低いと、広告を配信している期間に対して、売上が低くなる可能性があります。とはいえ、単純にインプレッション数だけを増やしたのでは意味がありません。やみくもにインプレッション数を増やすのではなく、成果につながるユーザーへのインプレッションを増やす必要があります。
インプレッション数を増やすには、次の方法が考えられます。
- キーワードの追加
- マッチタイプの変更
- 掲載順位の向上
- 1日の予算を追加
- 配信の曜日や時間の設定を見直す
キーワードの追加
広告を出稿するキーワードを増やせば、インプレッションの増加が見込めます。現在出稿しているキーワード以外に、自社の戦略や商品に合ったキーワードがないか探してみましょう。
マッチタイプの変更
マッチタイプとは、指定したキーワードとユーザーが検索したキーワードがどのように一致したときに広告を表示させるかを指定するものです。「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」の3種類があります。
「完全一致」<「フレーズ一致」<「部分一致」の順に、マッチするキーワードの数が増えるため、現在どのようなマッチタイプに設定されているか確認してみましょう。
掲載順位の向上
各キーワードでの掲載順位が低い場合、掲載順位を向上させることでも、インプレッション数の増加が期待できます。掲載順位を向上させる方法は次の2種類です。
- 入札単価の引き上げ
- 品質スコアの改善
リスティング広告では、入札単価が高い広告が上位に表示されやすい傾向があります。そのため、入札単価を引き上げると、インプレッションが増加する可能性があります。
品質スコアとは、検索を利用しているユーザーにとって広告が有益かどうかを示すスコアです。1から10の数値で、キーワードごとに示されます。品質スコアが高いほど、上位に表示されやすくなります。品質スコアの向上には、クリック率の向上やLPの改善が必要です。
1日の予算を追加
1日の予算が少ないと、広告の表示回数がセーブされる可能性があります。1日の予算を追加すると、インプレッション数を増やせる可能性があります。
配信の曜日や時間の設定を見直す
リスティング広告では、配信の曜日や時間帯を設定できます。これらの設定を見直せば、インプレッション数を増やせる可能性があります。よりターゲットユーザーがアクティブな曜日や時間はないか、配信する曜日や時間を増やすことでコンバージョンにつなげられるかなどを検討してみましょう。
クリック率が低い場合の施策
クリック率が低いというのは、広告が表示されているにも関わらず、ユーザーの目にとまってない状態です。クリック率を上げるには、次のような方法があります。
- 広告文の変更
- キーワードの変更
- 上限クリック単価アップ
- 出稿地域の絞り込み
広告文の変更
広告文を、よりユーザーに刺さる魅力的なものにすると、クリック率を高められる可能性があります。コピーライティングなどの技術を活用するとともに、よりユーザーから反応を得やすいフレーズを調査して、広告文に盛り込んでみましょう。
キーワードの変更
広告掲載の際に想定していた検索意図と、実際にユーザーが検索する意図にズレがある場合は、キーワードの変更が有効です。特定のキーワードだけ有意にクリック率が低い場合には、除外キーワードに設定すると、全体のクリック率向上につながります。
上限クリック単価アップ
上限クリック単価を上げると、広告が上位に表示される可能性が高まります。上位に表示された広告の方がクリックされやすいため、上限クリック単価をアップするとクリック率が向上する可能性があります。
出稿地域の絞り込み
特定の地域で需要が高い商品や、実際に現地に足を運ぶ必要があるようなイベントでは、出稿地域を絞り込むことでクリック率を高められる可能性があります。
クリック率の改善は、コンバージョン率の高いキーワードから優先して取り組みましょう。コンバージョン率の高いキーワードであれば、クリック率を改善することで効率良くコンバージョンを増やせる可能性があります。
コンバージョン率が低い場合の施策
コンバージョン率が高いと、予算内で得られる成果が少なくなります。コンバージョン率を高めるには、次のような方法があります。
- LPに沿った広告文の作成
- LPの最適化
- キーワードにあったLPの用意
LPに沿った広告文の作成
ユーザーは、広告文に魅力を感じて広告をクリックします。しかし、LPで紹介されている内容と広告文から期待できる内容にズレがあった場合、コンバージョンにはつながりません。LPに沿った適切な広告文を作ることで、コンバージョン率を改善できる可能性があります。
LPの最適化
LPの最適化によって、コンバージョン率が改善する可能性があります。例えば、すぐに申し込みをしたいと考えて広告をクリックしたにも関わらず、ページの最下部にしか申し込みボタンがなければ、ユーザーが離脱する可能性があります。ユーザーの行動データを見ながら、改善を繰り返しましょう。
キーワードにあったLPの用意
キーワードによって、ユーザーの属性が変化する場合もあります。例えば「旅行」は年代を問わず対応できるキーワードですが「新婚旅行」で検索するユーザーは、20〜30代が多いと予想できます。このように同じジャンルのキーワードであっても、周辺のキーワードによって属性が異なるケースがあるのです。
すべてのキーワードに対して同じLPを用意するのではなく、キーワードによって異なるLPを用意すると、コンバージョン率が向上する可能性があります。
コンバージョン単価が高い場合の施策
コンバージョン単価が高い場合にも、予算内で得られるコンバージョンの数が少なくなります。コンバージョン単価を下げるには、次のような方法があります。
- 入札単価を見直す
- キーワードを絞り込む
入札単価を見直す
単純に、入札単価を下げるだけでもコンバージョン単価を下げられる可能性があります。ただし、入札単価を下げたことによって、クリック数が大幅に減ってしまうようでは本末転倒です。入札単価を下げるときには、全体のバランスを見ながら調整しましょう。
キーワードを絞り込む
広告を出稿するキーワードを減らし、コンバージョン率が低いキーワードへの出稿をやめると、コンバージョン単価を下げられます。コンバージョン単価が高い場合には、各キーワードのコンバージョン率を確認してみましょう。
リスティング広告の改善を効率良く進めるコツ
リスティング広告の改善を効率良く進めるためには、次のポイントに注意しましょう。
- 大きな部分から小さな部分に着目点を移動する
- 優先順位をつけて取り組む
- A/Bテストを実施してひとつずつ変更を加える
それぞれ、詳しく解説します。
大きな部分から小さな部分に着目点を移動する
リスティング広告には、キャンペーンや広告グループといったまとまりがあります。キャンペーンとは、広告出稿の目的ごとに商品やサービスをまとめた単位、広告グループはキーワードや広告文、表示するURLをまとめた単位です。キャンペーンの中に、複数の広告グループがある構造です。
最初からキーワードに注目するのではなく、まずはキャンペーン全体で目標が達成できているか確認しましょう。キャンペーン全体の課題を把握してから、広告グループのデータを参照し、さらにそれぞれのキーワードに関するデータを確認します。
個別のキーワードから確認し改善するよりも、大きな部分から小さな部分に向けて着目点を移動することで、より効率良く全体の目標達成に近づけます。
優先順位をつけて取り組む
データを分析すると、多くの課題が発見されることがあります。それらの課題をすべて一度に解決するのは難しいでしょう。
改善に取り組む際には、優先順位をつけましょう。改善できたときに効果が出やすいもの、簡単に改善できるものから取り組むと、効率良く改善を進められます。
A/Bテストを実施してひとつずつ変更を加える
改善に優先順位をつける理由はもうひとつあります。それは、一度にいろいろな箇所に変更を加えてしまうと、効果的な施策とそうでない施策の区別がつかなくなってしまうためです。
また、変更を加えるときにはA/Bテストを実施しましょう。特定のポイント以外は条件をそろえてテストを実施することで、それぞれのポイントでどちらがより良い施策なのかがわかります。
まとめ
この記事では、リスティング広告の改善方法について解説しました。リスティング広告を改善するためには、適切な目標設定と、データの分析が欠かせません。
改善すべき数値によって、必要な対応は異なります。場合によっては、LPの改善や追加での制作が必要です。
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